学校生活

信和会(生徒会)

入学式 歓迎の言葉

2018/04/14

一年生の皆さん、ご入学おめでとうございます。これから始まる恵泉生としての6年間に期待と不安が入り混じっていることと思います。皆さんが今、胸につけているお人形は今年の2年生が作ったものです。大切にしてください。

さて、4月の暗誦聖句は「人にしてもらいたいと思うことは人にもしなさい」です。毎年4月の暗誦聖句はこの箇所なので、在校生はもう暗誦できると思います。この聖書箇所を聞いた時に私が思い出すのが、幼稚園や小学校で言われてきた「人にされたら嫌なことをしない」です。意味は、先ほどの暗誦聖句と変わらないような気がします。ではここで皆さんに質問です。どちらの言葉が、聞いた時に温かい気持ちになりますか?私は「人にしてもらいたいと思うことを人にもしなさい」の方だと思います。しない、と聞くと、禁止されている感じが強く聞こえませんか?意味は同じでも聞いた時の温かみが違う。私はこれと似たようなことを先月末まで2ヶ月間経験した留学中に気づきました。日本では、生徒を静かにさせる時に、静かにしなさい、や話すのをやめなさい、というように言うと思います。それは生徒同士でも同じで、静かにして、や黙って、などと言うと思います。でも、オーストラリアではどの先生も、thank you、つまり、ありがとう、と生徒に伝え、それによって生徒たちは先生の方に心を向けて静かになっていました。静かにしなさいと怒られるよりははるかに、ありがとうと言われる方が、嬉しいし、幸せな気持ちになるんだなあと私は思いました。

私は、今日入学した皆さんに、温かい言葉を使って欲しい、ということを伝えたいと思います。河井道先生は学生生活の意味を、学校に来て人と接触し、お互いに協力して援けあって、自分たちの生活を豊かにしていくところ、とおっしゃっています。協力して助け合うのには、冷たい言葉ではなく、温かい言葉が不可欠です。言葉を発信する前に、自分の中で真実か、親切か、必要かを考えて、温かい気持ちになれる言葉を使ってください。そして、「人にされたら嫌なことはしない」ではなく、「人にしてもらいたいと思うことを人にする」ということを心がけて、これから先、恵泉での6年間を豊かに過ごしてください。

最後に、この言葉を皆さんに送ります。エフェソの信徒への手紙4章29節。

「ただ、必要なとき、人の徳を養うのに役立つことばを話し、聞く人に恵みを与えなさい」

ご入学、本当におめでとうございます。(信和会会長)