学校案内
トップページ > 学校案内 > 校長ブログ > 校長ブログ一覧 > 恵泉会「聖書の会」でお話しさせていただきました

校長ブログ

恵泉会「聖書の会」でお話しさせていただきました

2016/09/29
開会礼拝

開会礼拝

グループディスカッション

グループディスカッション

9月21日(水)、第3回目の恵泉会宗教部主催「聖書の会」でお話させていただきました。「希望を確認する6年修養会」と題して、恵泉で行う最後の宿泊を伴う行事の「修養会」について、主に次の3点について、学ぶ会を持ちました。
1. 創立者の河井道先生が「修養会」へ込めた思い。
2. 修養会を卒業学年に置いた意図とその歴史。
3. 私が聖書から学んだ「器」について。
最後に、修養会の雰囲気を知っていただくために修養会のスライドショーを上映しました。
ここでは、「3」について、短く書かせていただきます。

 今年の6年生が選んだ修養会テーマは、「器」でした。
私は、神様は器をつくるお方で、私たちは土塊(つちくれ)であると思いました。
聖書のはじめに、
『主なる神は、土(アダマ)の塵で人(アダム)を形づくり、その鼻に命の息を吹き入れられた。人はこうして生きる者となった。(創世記 2:7)』
とあります。神様は、土から人をつくったと書かれています。
また、このようにも書かれています。
『しかし、主よ、あなたは我らの父。わたしたちは粘土、あなたは陶工、わたしたちは皆、あなたの御手の業。(イザヤ64:7)』
私たちは、神様の手によって作られた神の作品なのです。その作品は、一人ひとりの人格として完成されていくのです。
陶器師が陶器をつくる過程は、神様が私たちを完成させてくださる過程に似ています。
その作業は、次の通りです。
「掘り出す」:土塊を掘り出します。日の光も空気も触れない土中から、一塊の土が掘り出されます。その土塊は、含まれている石やゴミを取るために、水で洗われます。大きな樽のような容器に入れられ、板や手によって攪拌(かくはん)され、丁寧に不純物が除去され、純度の高い土ができます。
「練る:不純物の取り去られた土は、次に陶器師の手によって練られます。土が悪ければ、良い器はできません。陶器師が作品をつくりやすい土にするためです。陶器師の掌(てのひら)で、陶器師が自在に転がせるように土の意志を砕くのだそうです。神様の前で、従順であることを養うのです。土にとっては、大変忍耐のいることではないでしょうか。
「形作る」:次に、陶器師は、自分の思いを具体化するために、時によっては、ろくろで形を作り出します。不必要な部分は、思い切り削りとられます。土にとっては、痛みを伴う行程です。 
「乾かす」:形ができると、天日で乾燥させます。水気を取るこの作業を怠ると、器にヒビが入るのだそうです。強い日差しのもと動かずじっとしている期間、土は何を感じているのでしょうか。
「彩色する」:いよいよ、釉薬(ゆうやく)で彩色します。陶器師は、完成品をイメージして器にふさわしい色をつけます。しかし、この色はつぎの作業を経るまでは、表面には現れません。土は、自分に描かれた絵模様をどのように感じているのでしょうか。そして、いよいよ最後の行程です。
「焼く」:釜の中で、高温で数日間焼かれます。釜の中では、灰色の物体は、はじめは焼けた木の煤が表面につき黒くなり、さらに高熱に熱せられ赤くなり、時間が経つと光り輝く黄色になり、終わり頃には完全に焼かれて白色になります。薄く積もった白色の灰を息を吹きかけ取り除くと、そこには鮮やかな色彩で表面を飾った作品が現れるのです。この時、陶器師は最高の喜びを感じます。土塊が美しい陶器へ変えられたのです。
私たちも、神様の訓練や試練を通して一人ひとりが神様の用いられる「器」となるのです。
 聖書には次のように書かれています。
『あなたがたを襲った試練で、人間として耐えられないようなものはなかったはずです。神は真実な方です。あなたがたを耐えられないような試練に遭わせることはなさらず、試練と共に、それに耐えられるよう、逃れる道をも備えていてくださいます。(コリントの信徒への手紙一 10:13)』
『およそ鍛錬というものは、当座は喜ばしいものではなく、悲しいものと思われるのですが、後になるとそれで鍛え上げられた人々に、義という平和に満ちた実を結ばせるのです。(ヘブライの信徒への手紙 12:11)』

 会終了後、たくさんのアンケート結果を頂きました。幾つかご紹介します。
・素敵な心おだやかになる時間でした。6年生の修養会のお話を伺い、我が娘も5年後には、自分の心と向かい合えるようになるのだろうかと思いを馳せました。
・楽しいお話を伺って、自分の今の立場や役割、生い立ち、今後のことなど、自らふりかえる事ができました。
・あと少しで娘の恵泉生活も終わりです。修養会について、お話を伺えて、あらためて恵泉で学ばせていただき感謝しております。
・スライドを見たり、リラックスして過ごせました。テーブルの方とお話ができてよかった。テーブルのお花がかわいい!!クッキーもおいしかった。お話をもっと聞きたかった。

 50名を超える多くの保護者の方が参加して下さりありがとうございました。