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WWJD?

2021/10/04

今朝の礼拝で、パキスタンやアフガニスタンで35年間、現地の方々の人道支援に生涯を捧げられた中村 哲先生について、共に考える時を持ちました。中村先生は戦後間もない1946年に九州の福岡に生まれ、恵泉と同じようなキリスト教学校の西南学院中学で学び、信仰をもたれました。その後九州大学医学部に進まれて脳神経内科の医師となり、1984年から20年間JOCS(キリスト教海外医療協力会)の派遣医師としてパキスタンの州都ペシャワールでハンセン病などの治療にあたられました。中村先生はその後隣国アフガニスタンに拠点を移し、度重なる干ばつや洪水による飢饉と天災を起因とする多くの病気、紛争からの帰還難民の問題なども、水さえあれば現地の人々にとっての命綱となる食料を得ることができ、様々な問題を解決できると考えるようになりました。そして、中村先生は総延長25kmを超える約1600の用水路を地元の方たちと共に造り上げたのです。砂漠だった土地が農地となり、そこは約10万の農民が暮らしていける基盤となったのです。2019年に銃弾に倒れるまで、中村先生によって命を救われた人々は60万人にも上ると言われています。

この35年間の働きへと中村先生を突き動かした思いとは何だったのでしょうか。それは、目の前にいる貧しい人、病気の人、悲しむ人の隣人となられたイエス様に倣おうとする行動だったと思います。What would Jesus do? (WWJD?)もし、この場にイエス様がおられたなら、どうされるだろうか。常にこの問いを自身に投げかけ、行動指針とされた生涯だったと言えるでしょう。私たちも困難な状況を前に何をすべきか悩む時、WWJD?と自問してみましょう。きっと解決への道が示されるはずです。