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校長ブログ

平和の器

2021/09/13

先週末はアメリカ同時多発テロ、9.11から20年ということで、アメリカでの追悼式の様子が報じられていました。20年前、米軍による「報復爆撃」とタリバン政権崩壊後の「アフガン復興」が大きく取り上げられましたが、今回米軍がアフガニスタンから撤退することが決まり、この夏再びタリバン政権が首都カブールを占拠することになりました。そして今、混乱の中にあるアフガニスタンでは、女性や少数勢力の人権が守られるのか、心配な状況になっています。

アフガニスタンと言えば、長年の人道支援に尽力し、2019年12月に凶弾に倒れた日本人医師、中村哲先生のことが思い起こされます。先日の新聞記事によると、首都カブールの交差点の壁に描かれていた中村先生の肖像画と「大地に優しさや愛の種をまくのはいいが、問題の種をまいてはいけない」という趣旨の文言が、最近白く塗りつぶされた後に「独立おめでとう」という、駐留米軍の完全撤退を祝うメッセージに塗り替えられてしまったそうです。中村先生への追悼と平和を願う思いから描かれた絵がすぐに消されてしまったことが残念でなりませんし、今後のアフガニスタン情勢、特に弱い立場に置かれている女性や子どもたちのことが心配です。大きな対立の犠牲になるのはいつもそのような人々だからです。現地NGOの男性職員は「ドクター・ナカムラの絵は消えても、功績は消えない。私たちが語り継いでいく」と話したそうです。私たちも中村先生の思いを受け継ぎ、アフガンの草の根の人々のために祈り続けたいと思わされました。

主よ、わたしを平和の器とならせてください。
  憎しみがあるところに愛を、争いがあるところに赦しを、分裂があるところに一致を、疑いのあるところに信仰を、誤りがあるところに真理を、絶望があるところに希望を、闇あるところに光を、悲しみあるところに喜びを。(「フランシスコの平和の祈り」より)