校長ブログ
修養会閉会礼拝
2015/09/02 修養会閉会礼拝
讃美歌 354
聖書 エフェソ5:13−17
お話 光の種を育てるために
黙想
祈り
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いよいよ閉会礼拝のときを迎えます。「光」をテーマに、1年生のときのフェロシップキャンプと同じ場所で、二泊三日を過ごしました。私にとってもいろいろな収穫がありました。昨日のグループディスカッションで感心したことがあります。それぞれのグループでの話し合いを聴いていました。その話し合いは、どのグループも相手を論破するというのではなく、話し手の話を良く聞き、認めながら、物事の本質を理解し共有しようという努力が見られました。この態度は立派だと思いました。これから社会に出たときに大切にされる、自らが働きかける主体性を持ち、相手の多様性を受け入れ、ともに一つの目標に向かって努力を共にする共働性(チームワーク)が既に遺憾なく発揮されていました。
燭火礼拝は、この学年の誠実さが現れたすばらしい礼拝でした。カッシーニ作曲のアベマリアの前奏を聴き、思わず胸が詰まりました。心のこもった奏楽でした。修養会委員長の感話も、心打つものでした。ヨハネ4:23「霊と真理をもって父を礼拝する」という御言葉が思い浮かびました。教会とは異なりますが、真心をこめての礼拝が献げられました。
そのあとの雨天のため、宿舎の中で行われた黙想は、室内だからこそ落ち着いて、心を集中することができたのではないでしょうか。ピンチの時に最善のものを与えて下さる神様をほめたたえました。
黙想終了を告げる聖歌隊のアメージンググレース。天使の歌声と聞き間違えるような美しいハーモニーと響きを持っていました。黙想が終了してから、各自が部屋に戻るまでも一切話し声が聞こえず、6年生一人一人の真剣さと資質の高さを改めて知りました。今日は、クラス感想会がもたれ、一人ひとりがこの修養会で考えたこと、思ったこと、得たことを語ることができたと思います。自分の課題を感じ取った人もいるでしょう。簡単に結論は出さなくとも良いのです。むしろ自分自身の心の奥に目を向けることができた経験が大切です。普段の礼拝ではない、自然の中だからこそ見つめられたものがあったはずです。
あるとき、校長室にある植物の鉢に、深緑色の不思議な物体を見つけました。こうもり傘の骨の部分を逆さにして、地面に突き刺した、そのような形状でした。園芸の先生にお見せしたところ、松の苗であることがわかりました。昨年の修養会の時、ここ天城山荘で緑色の松かさを拾って、部屋に置いていたことがあります。数ヶ月前に、その松かさは茶色に変色し、大きく開いていました。窓を開けたときに、風が舞い込んだのでしょう、部屋中に薄い半透明な羽のような種子が散乱していました。その一つが植木鉢の表面に舞い降りて、発芽したものでした。昨日の朝、傘を持って散歩して深緑色の松かさをひろいました。宿舎の方のご許可を得て、頂きました。この松かさからも多くの種子が飛んで行くことと思います。
これからのあなたがたの歩みを修養会のテーマに沿って考え、この聖書の箇所を選びました。もし、光が種を生み出すことができたならば、皆さんは各自心に、この種が植え付けられたと思います。
この種を発芽させるための6つの大切な行動があげられています。欽定訳と新共同訳を併記してみました。
14節からは、
1. Awake 起きよ
起きよは、目を覚ませという意味です。
神様は、一人一人に、その人でなければ完成しない目的を与えています。その目的に、気づけ、思い出せ、という呼びかけです。あなたは、あなたの使命を自覚して、起きるのです。フィリピ1:7を後で読んで下さい。
2.Arise 立ち上がれ
どこから立ち上がるのですか。死者の中からです。以前は、暗闇にいた私たちは、命のないものでした。しかし、今やイエス・キリストの復活の蘇りの力を知り、その蘇りの力によって力強く立ち上がることができるのです。フィリピ4:13も読んで下さい。
3.Light 照らされる
キリストがあなたに光を与えてくれます。その光によって、あなたは押し出されるのです。さらに、前進することことができるのです。
15節です。
4.Walk 歩きなさい
気を配って歩くとは、よくよく注意し、周りに目を配り歩きなさい。あなたは、はっきりしたビジョンを持っています。それを目指して、しっかりと歩きなさい。
16節です。
5.Redeeming the time 時をよく用いる
時間をあがなうとは、時間を買い取ることです。時間はただではありません、誰にでも等しく与えられているあなたが目的を獲得するまでの期間です。
17節です。
6.Understanding 悟りなさい
大切なことは、神様の御心に従った歩みなのかどうかです。何度も言いますが、あなたは、あなたしかできない使命を与えられています。しかし今は悪い時代です。そのあなたの気持ちを奪い取るものがいます。そのようなものから、あなたの大切な使命を守り、それを外すことなく、神の御心を理解して下さい。
修養会は6年生の通過地点ですが、恵泉女学園の最後の宿泊行事です。修養会があなたの次のステップに大きく踏み出す、揺るがない堅く強い土台となることを願っています。