
校長ブログ
環境の番人に会う ー自然観察会に参加してー
2015/05/08
9時10分、バスの停留場に着くと強い磯の香りが鼻をつきました。今日(5月2日)は、今年度第一回の自然観察会です。干潮時間は9時41分。潮の満ち引きの関係で今日が選ばれました。生徒30名、理科の教員2名を含む教員5名の参加者は、三浦半島逗子にある天神島自然教育園で、自然観察指導員の日野圭一先生から磯の自然、生き物についていろいろと教えていただきます。日野先生は、学生時代から30年間この自然観察会の指導をして下さっています。
早速、潮溜まりや波打ち際の磯をのぞきます。
磯は地球上で最も生物の豊富な場所だそうです。実際に見てみるとその多様性の違いがよくわかります。
腔腸動物:ヨロイイソギンチャクと他のイソギンチャク
節足動物:カメノテとフジツボ
軟体動物:アメフラシとウミウシ、トコブシとヨメガカサ
棘皮(きょくひ)動物:バフンウニとムラサキウニとナマコ類、クモヒトデとトゲモミジガイ
他に原索(げんさく)動物:ホヤ、環形動物:ゴカイ、脊椎動物:魚類、海藻類に出会いました。しばし日頃の忙しさを忘れた楽しい時間でした。昼食後、磯遊びをしていた場所は、かなりの部分が潮で満ち、強い日に照らされた海面で覆われてしまいました。
日本の海岸線のうち天神島自然教育園のような自然な浜辺は、10数パーセントで、ほとんどが海岸工事などで自然の状態を失ってしまったそうです。環境についても詳しい日野先生の結びの言葉が印象に残りました。
観察した得体の知れない?磯の生物は、いったい何のために生きているのかという疑問の答の一つがここにあるように思えました。彼らは、環境の番人なのです。彼らを見つけられることは、生態系が少なくとも維持されているという証拠なのではないでしょうか。