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感話

様々な人と関わって 3年 A.A.さん

2025/10/06

様々な人と関わって

3年 A.A.

 この夏、私は様々な大学、企業、施設などを訪問し、自分とは違う特徴を持つ人達、自分とは違う国や環境に暮らす人達との関わりについて考え、そのことを家族と話す機会を持ちました。
 

 今年の七月末、私は同じクラブの友人に誘われ、牧ノ原やまばと学園訪問に参加しました。やまばと学園とその周辺施設は、静岡県の茶畑に囲まれたのどかなところにあり、そこでは高齢者や障害者の介護をおこなっています。今回、私たちは、そこで暮らす方々との交流、そしてその施設の清掃や手伝いなどを行いました。
 

 高齢者施設を訪れた際には、何名かの利用者さんと遊んだり、一緒に運動をしたりしました。利用者さんのほとんどは手や足が思うように動かせない状態であり、私たちが普段当たり前にやっているようなことができませんでした。うまく体が動かせないために、一緒に遊んでいる最中に物を落としてしまったり、一緒に運動しようと思っても、なかなか動いてくださらないなど、かなりもどかしさを感じる場面がありました。私の方から話しかけても、利用者さんがあまり反応を示さないように見え、私は何をしてよいのか分からず、少し困惑してしまいました。ですが、施設の方は積極的に利用者さんに話しかけ、利用者さんが体を動かすのをサポートしていて、自分との経験の差を実感しました。利用者さんの様子も見ているうちに、反応を示していないように見えたのはあまり態度に表れていないだけで、反応しようとはしているということを何となく感じられるようになりました。また、一見すると怒っているように見える人もいたりして不安でしたが、施設の方は「皆、喜んでくれている」とおっしゃっていたので少し安心しました。

 障害者施設への訪問では、施設の手伝いと知的障害者の方々との交流を行いました。利用者さんの年齢は様々で、中には文字を読むことができたり、少し話すことのできたりする方もいました。施設の方の話を聞いているときに急に体を触ってくる方もいて、戸惑うこともありましたが、それはその人なりのコミュニケーションで、私たちに興味があったのかもしれません。施設の方の話を聞いていると、その人の好きなことを把握していたり、優しく声をかけていたりと、一緒に過ごしていると相手の色々なことを理解することができるということ、逆に利用者さんも施設の方の言っていることを理解しているということを実感させられました。利用者さんの近くにいたり、歌を歌ったりする中で、少し緊張もしましたが、互いに言葉を交わさなくても、表情や身ぶり手ぶり、視線などで気持ちを理解しようとする姿勢を学びました。これらのことを振り返って私が感じたのは、上手く話すことができなくとも、相手を理解しようとする姿勢は大切だということです。以前、父や母と外国人に関する新聞記事について話し合った時、父は「外国人差別が起きるのは外国人を知らないからであり、一緒に仕事をしたり生活したりして友達になる必要がある」と言っていました。確かに、高齢者や障害者の方々に対する理解は十分とは言えず、不安になることもありました。何故なら高齢者や障害者の生活を日常において想像したり、主体的に調べようとしたことはほとんどなかったのです。その一方で、どう接すればよいのか分からない時でも、分かり合おうとする姿勢を常に持ち続けることが大切だと思いました。外国人差別に対しても、自分の尺度で相手を決めつけるのではなく、相手をよく知り、理解することが大切だと思います。
 

 この夏の体験を通して、あまり反応を示さず意志疎通が上手くいかなそうな相手や、コミュニケーションをとるのが難しそうな相手でも、時間をかけて相手を知ろうとするということと向き合うことが出来ました。また、人との関わり、人を知るということの重要さを実感しました。誰に対しても、知る努力をするよう、正しく理解することができるようにしていきたいです。