ただ生きるのではなく、よく生きる
恵泉在学中、魅力的な古典や国語の授業の影響もあって、大学では平安文学が育まれた京都で専門的に古典を学びたいと思い、卒業後、同志社女子大学学芸学部日本語日本文学科に進学しました。念願の京都での古典の学びはとても充実していたのですが、一方で、高校の修養会で聞いた「ただ生きるのではなく、よく生きる」というソクラテスの言葉が、ずっと心に引っかかっていました。そして将来のことや生き方を考えていく中で、現代社会と人間の現実を見つめながら、私を支えてくれてきたキリスト教を基に生きていきたいと思うようになり、大学3年生になるとき、同志社大学神学部に編入学し、進路を大きく変えることにしました。
大学院の学びも含めて4年間、神学の学びと牧会の訓練を受けた後、日本基督教団の牧師となり、日本の教会で3年間、アメリカの日系教会で宣教師として4年間働きました。
恵泉を卒業する時には、思ってもいなかった歩みですが、恵泉での学びと学校生活の中で、私の心に蒔いていただいた種が、今の私の生き方の原点となっていることを、感謝をもって受け止めています。