感話
政治を身近に感じた夏 3年 N.M.さん
政治を身近に感じた夏
3年 N.M.
この夏、私は政治について考えるきっかけがありました。それは、兄が十八歳になり選挙権を持つようになったことです。兄は以前から政治に関心を持っていたので、選挙で投票できることがとても嬉しそうな様子でした。そして、私に、「社会のことに興味を持ってみるといいよ」と話してくれました。
夏休みになってすぐの七月に参議院議員の選挙がありました。選挙の日は、夜に票を集計する開票作業があります。自分の住んでいる市区町村なら、誰でも見学できることを知り、私は家族と共に開票作業の会場である大きな体育館に向かうことにしました。夜のハ時に到着すると、体育館沿いの道路に、タクシーが何台も停まっていました。そこから投票箱を抱えた人が続々と降りて会場に入っていきました。私達も会場に入ると、そこでは沢山の人が準備をしていました。私達は、隅にある見学者席に座って見学しました。開票作業がはじまると、先ほどの投票箱が次々と運ばれ、鍵をかけられているかチェックを受け、テーブルの上に置かれていきます。テーブルのまわりでは、大勢の係の人が待機しています。夜の九時になり、開票作業が始まると、一斉に投票箱が開けられ、係の人たちが票の仕分けをしていきます。投票用紙を出した後の投票箱の中が本当に空になっているかを二重に確認する係の人もいました。開票作業の工夫や取り組みが想像以上に厳密で驚きました。選挙の公正さを守るために、投票用紙が大切に扱われている様子を見て、一票の重みを改めて感じました。見学をした後、私達を案内してくださった役所の職員の方に話を伺い、「白紙の票や欄外に落書きのある票が多いので、仕分けに時間がかかる」ということを教えてもらいました。又、この作業は夜通しかかるとのことで、選挙に携わる方たちの苦労を少し感じることができました。
このように夏休みの始めに選挙に興味を持ったことがきっかけで、夏休み中に、私は自分が住んでいる地域の議会を家族とともに何度か見学しに行きました。私達の生活をより良くするために真剣に取り組んで下さっていることを実感しました。
今年は普通選挙が始まってから百年目ということをニュース記事で知りました。皆さんも一度は習ったり聞いたりしたことがあると思いますが、当初はごくわずかな一部の人にしか選挙権を与えられていませんでしたが、長い時間をかけて現在の制度になったという歴史があります。
以前から若者の投票率がどの年代よりも低いことは知っていましたが、開票作業を見て選挙に参加しないということは、せっかくある一票を無駄にしてしまうことなので、もったいないことだと思いました。調べてみると、海外では、投票率を上げるために選挙を義務としている国がありました。例えば、オーストラリアでは、正当な理由がなく投票に行かなければ、約二千円の罰金を取るそうです。他にも投票が義務になっている国も多くあることが分かりました。
この夏の経験で、あまり考えたことがなかった「選挙」や「投票」が少し身近な存在となりました。そして、より多くの若者が選挙に対し関心を持つ必要があると思いました。私は政治にまつわるニュースをみても、まだよく分かっていないことがたくさんあります。選挙権を持ったときに困らないように、政策や政治のしくみについて、身近なことから知っていきたいと思いました。そして、ニュースから得た情報や誰かの発言などをただ受け止めるのではなく、そこからどう考えるのか意識することの大切さに気付きました。私はまだ、難しい話題だと「よく分からない」と考えることをやめてしまったり、自分の考えをうまく言葉にできなかったりすることがあります。けれどこれからは、社会のことや普段の生活の中でも、問いを立て、自分で考えることを大切にしていきたいです。










