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感話

考えることと言い方 3年 H.I.さん

2025/12/12

考えることと言い方

3年 H.I.

常生活の中で、友達や家族など他の人の言動や意見に違和感を覚えたり、自分の意見と異なっていると感じることがあります。そのとき私はその違和感を伝えるとその人との関係が崩れてしまうのではないかと考え、言わない方が良いかもしれない、だけど、そのままにしてしまったら後々相手が困るかも知れない、と悩んでしまいます。今回の感話では、率直に指摘された時とされなかった時、それぞれの良い点と悪い点を考えていきたいと思います。

私はよく母にその日の出来事とそのことに対して私が感じたことを話します。ある日私は友達の行動を少し不快に感じてしまい、そのことについて母に話しました。母は私の話を聞き、「それは嫌だったね」などの一言もなしに、「でもそのお友達はこういう考え方だったんじゃない?」と相手の目線で話し始めました。このような時、母のおかげで私も自分は偏った考え方しかできていなかった、と反省することができ、より物事を多面的に捉えられるようになります。しかし、その一方で母は私の意見を聞いたあと、少しも共感の意を示さず、きっぱりとした口調で考えを言ってくることがあります。そのため、私はお説教されるために言ったのではなく、ただ聞いて欲しかっただけなのに、言わなければよかった、と感じてしまいます。このように相手に対する考えを率直に伝えると、言い方次第では言われた相手は冷たい印象を受けたり、傷ついたりしてしまうことがあります。

また、私はこのようなことも経験しました。私はバレーボール部に所属しているのですが、同学年内での役割について、意見が二極化したことがありました。 その際、私は一方の意見を推していたのですが、私と仲の良いメンバーたちも私に賛同してくれました。そのため、私も自分の意見が絶対だという自信を深めていました。しかし、その後、もう一方の意見を推す人と話しをする機会がありました。するとそちらの意見にも納得できることが多く、ようやく私は自分が偏った見方しかできていなかったかもしれない、と、より客観的な視点を得るということができました。そして、その時にふと、初めから私に賛成してくれていた人たちも、実は私の偏った見方に気づいていたのに、仲良くしている私に気を使って全面的に賛成してくれていたのではないか、と感じました。

このように周囲が自分の意見に優しく寄り添ってくれることで安心して自分の意見に自信を持つことができる一方、その意見を絶対的だと思い込み、他人の意見を聞き入れないという状況を助長してしまい、いいものを作る上で必要不可欠な批判を受ける、ということがないため、本質を理解することができないという面があります。何かを決める場面でも、その場の雰囲気に合わせるだけで、先のことや全体のことまで考えずに賛同してしまったら、改善の道を閉ざすかもしれません。したがって、私は意見を言いたい相手が仲の良い人であったとしても、正直に自分の思いを伝えたいと思います。難しいことですが、順序や言い方を考えれば良いところを活かし、悪い所を改善することができるのではないかと思います。

今後は、一度共感できるところはしっかりと共感し、それから自分の意見を相手も受け入れやすいように「こんな見方もできるんじゃない?」と柔らかい口調で伝えることで、あまり冷たい印象を与えることなく、かつ相手の誤っているところを直したり、新しい見方を相手に提示したりするようにしたいです。こうすれば相手との関係性を深く傷つけることなく、より良いものを一緒に作り上げていけるのではないでしょうか。高校に向けてクラブや行事、友達や家族との関係のなかで、このようにして物事を多面的・客観的に考え行動できるようにしていきたいと思います。