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感話

本音と建前 3年 M.Oさん

2025/11/14

本音と建前

3年 M.O

幼い頃、友達がしてはいけないことをしようとしているのを見て、私ははっきりと「それはだめだよ」と言ってしまったことがあります。言い方がきつかったのか、その子は泣いてしまい、私は先生に呼び出され、注意されました。家に帰ると、親に「人の気持ちを考えなさい、正しいことを言っても人を傷付けてしまうことだってあるのよ」と言われたことを覚えています。その時、私はどうして正しいことを言っただけであり、その子の為を思って言ったのに私が怒られなければならないのだろうと不満に思いましたが、私の言葉が原因で友達を悲しい気持ちにさせてしまったのだと考えると、「言わなければ良かった」という後悔の気持ちが押し寄せてきました。
そして、私はこの出来事がきっかけで自分の本音を言うことが少し怖くなり、言うのをためらうようになりました。小学生の時には、グループでの役割決めで、本当はあまりやりたくなかったけれど、同じグループの子にお願いされてリーダーを引き受けてしまったことや、休み時間に本当は別のことをしたかったけれど、「人数が少ないから参加して欲しい」と言われ、ドッヂボールをしたこともありました。これまで何度も本当のことが言えず、もどかしい思いをしてきました。そのせいか、はっきり自分の意見を相手に伝えられ、自分の信念を貫ける人によく憧れます。

しかし、最近になって、建前も大切なことだと気付きました。建前を知らないと無意識に人を傷付け、関係が壊れてしまうこともあるからです。私は建前とは「相手を思いやる優しさ」だと思います。私はまだ、本音と建前が食い違ったときに本音より建前を優先してしまいます。それはきっと昔母に言われた言葉がずっと心にひっかかっていて、「本音を言えば、人を傷付けてしまうのではないか」「人に嫌われるのではないか」という不安があるからだと思います。

一方で、このように本音を言えないのは私だけではないと思います。それは、日本では集団の中での調和が重んじられており、それゆえに「空気を読む」という日本独自の社会文化が根付いているからです。また、日本では、主張することよりも調和することが美徳とされ、空気を読める人が優秀とされます。こうした文化がいき過ぎた結果、同調圧力が生まれ、本音を言い出せないことにつながっているのです。本音をさらけ出すことは簡単そうに思えて実は難しいことだと思います。相手の反応を見て、言いかけた言葉を飲み込んだり、どうせ分かってもらえないと諦めて投げやりになったり、そんなことを何回も繰り返しているうちに、自分の気持ちを全然大切にできていない気がして、自分を変えたいと強く思うようになりました。

そんな私は今、感話を述べるということで、自分自身に向き合い、本音に素直になれていると思います。上手く言葉にできなくても、ありのままの自分の気持ちを文章にして書くことはとても大切なことであり、言葉にすることで初めて気付けることも沢山あります。本音と建前の間にはいつも私の中で迷いや葛藤があります。空気を読むことや建前も大切ですが、それだけでは相手に本当の気持ちは伝わりません。だからこそ、私は「相手を思いやる優しさ」と「自分の気持ちに正直になる強さ」の両方を大切にしていきたいです。そして、本音を言うことが否定されることなく、むしろ相手との信頼を深めるものとして広く受け入れられ、今の日本の文化と上手く調和していければいいなと思います。