
大学合格体験談
K.Nさん 東京農工大学 農学部 地域生態システム学科
1. 英文法の知識をしっかり定着させることが大事です。英文法の理解が深まると、長文を読むときのストレスが減り、読解スピードが向上します。
2. 苦手科目は基礎力が定着していないことが問題です。入試直前期でも、勇気を持って基礎に立ち返りましょう。学力向上に近道はありません。
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【東京農工大学 農学部 地域生態システム学科 を志望した理由】
中学の頃から自然が好きで、環境問題に取り組みたいと考えていました。サイエンスアドベンチャーに所属していたので、海や山、川、森など、自然観察に行く機会に恵まれていたのですが、そのような場所で生態系が荒れているのをよく目にしました。木々がタイワンリスによって剥皮被害を受けていたり、竹林が手入れをされずに放棄されていたり、身の周りだけでなく世界各地で自然が失われつつあることを悲しく思ったので、環境問題の研究をしたいと考えました。
また、森、海、農林水産業がひとつにつながっていることにも関心を持ちました。地球温暖化は全ての生態系に影響を及ぼしており、一次産業に携わる人々が最も打撃を受けています。海の豊かさは森の豊かさを反映しており、農業や林業のように人が手入れをすることで豊かになれる自然があります。このようにひとつの大きな生態系を構成している自然、農林水産業、人間を総合的に学びたいと考え、全体を網羅している農学部に進学することを決めました。 -
【英語の勉強方法について】
個人的には、ネイティブスピーカーでないなら文法をしっかり定着させることが大事だと思います。文法をしっかり理解すると、長文を読む時のストレスがだいぶ減ります。コロナ禍のときに「Evergreen」(英文法)を読む宿題が出たので、重要な単元を全部通しで読んだことが後々大変役に立ちました。
単語・熟語を覚えるためのお勧めの方法は、辞書で調べることです。「➊動詞なら活用、他動詞か自動詞か、➋名詞なら不可算名詞か可算名詞か、単数扱いか複数扱いか、➌形容詞なら限定か叙述か」を必ず確かめると、実際に使える語彙力が身に付きます。さらに、「例文」を読むと覚えやすくなりますし、「語源」を押さえると知識の整理に役立ちます。重要な単語には語源が載っていることが多いので読んでみてください。短期的に丸覚えするのではなく、長期間記憶が続くように自分の中に知識として落とし込むことが大切だと思います。
長文はじっくり読み始める前に、文章全体の構成を確認しておくと読みやすくなります。段落が変わったところで「However」や「But」があれば、そこから反証が始まるのでチェックしておきます。「固有名詞」があれば、最初に名前が出てくる箇所に説明があるはずなので印(マル)をつけておきます。時間や場所の修飾語にも注目します。これらによって、対立点が見つけ易くなるのです。
共通テストのリスニングは学校の授業で十分です。リーディングは、速読して効率的に内容を把握する力を身に付けましょう。なお個別試験は精読が必要です。 -
【国立大学受験のために】
目指す大学によりますが、「数学」と「英語」は高2のうちにある程度対策をしておくと良いと思います。国立の最難関を目指すなら、理系は「数Ⅲ・C」を高2の間に終わらせておくと楽です。「理系の社会」や「文系の理科基礎」は高3になってからの対策で十分間に合います。「理科」は夏休み中に問題集を1冊終わらせると良いです。これは実体験ですが、理科と数学は理論が分かっても問題演習を十分にしないと成績は伸びません。
私は前期に東大を受験したので現代文・古文・漢文の勉強が必要でした。通学時間が長かったことから、電車内で古文・漢文・英単語を15分ずつ勉強することを日課にしていました。受験生は隙間時間を有効に活用してください。勉強方法が最適かどうかを常に考えながら、自分に合った勉強方法を探してほしいです。 -
【苦手科目の克服法やスランプ脱出法について】
入試が迫れば迫るほど、苦手な科目では焦りを感じ、難しい問題を無理に解きがちとなりました。しかし、苦手科目では基礎が定着していないので、難しい問題を解こうとしても解けるはずはありません。これでは学力は向上しないのです。それに気づいたのが12月。入試直前期でしたが、勇気を出して共通テスト対策と平行しながら基礎に立ち返りました。苦手科目の場合、自分はどこが分かっていないのか、何が必要なのかを模索することが大事です。その結果、➊「化学」では基礎問題の演習が不足していたために計算ミスが多発し、解く時間も長くかかっていたこと。➋「生物」では暗記が不十分であったために、難しい問題を解く基盤ができていなかったことに気付きました。その後は、基礎問題の演習を積み上げ、入試問題に戻ると解きやすくなっていました。
模擬試験でショックを受けたときは、今までお世話になってきた先生方の励ましの言葉が心の支えとなり、立ち直ることができました。 -
【恵泉の思い出について。後輩のみなさんへ】
恵泉の良かった点はたくさんあります。先生方との距離が近く、信頼関係が築けたこと。同級生のみんなと仲良くなれたこと。素の自分を出せて伸び伸びと過ごせたこと。勉強以外に人生の糧となる大切な学びを得られる機会がたくさんあったこと…など。恵泉の6年間で大切なことをたくさん得ることができました。
最後に、コロナによって小中高時代に多くのことを我慢してこられた後輩のみなさんに敬意を表します。これから少しずつ日常が戻ってくると思います。コロナ禍、感染症対策をしながらできることを探した経験を忘れずに、日々工夫する心を持ちながら学校生活を謳歌してほしいと願っています。