感話
N.I.さん(5年生)の感話 ー第2回被災地訪問報告 2日目ー
2日目は午前中にワカメ作業、午後に畑作業をしました。朝、寄木地区の港までバスで行き、そこに住む高橋さんにお会いし、その後それぞれに分かれ作業をしました。わかめ作業は主にワカメからメカブを削ぐ作業でした。削ぐ道具は津波ですべて流されてしまったそうです。やっとのことで集めた道具を大切に使っていました。海での養殖業は今年の夏に再開したばかりで少しずつ元に戻れるようにしているそうです。
メカブ削ぎは初めヌルヌルとしている状態に慣れず全く上手く出来ませんでしたが、少しずつ上達していき、たくさんのメカブを削ぐことが出来ました。作業をされている方は会話をしながらとても楽しそうでした。方言を少し聞き取るのが難しく感じましたが、「わざわざ東京から来てくれてありがとう」と言われた時は、とても嬉しかったです。正直なところ、「きちんと作業を手伝うことは出来るだろうか」、「迷惑になってしまわないだろうか」と、とても不安で一杯でした。勿論、そのようなことを言って下さるとは思っていなかったし、そんな風に思われるとは思いませんでした。私にとっては「気持ちがあれば大丈夫」と言われたようでとても自信になりました。作業が一段落した所で、休憩用に用意していたおもちを分けてくださりと、まるでボランティアに来ていることを忘れさせられてしまうかのようでした。
その後、小舟に乗って手伝いをする人と個人の作業場に行って手伝わせてもらった人に分かれて作業をしました。私は高橋さんの船に乗せていただき、ホタテ、カキ、ワカメの養殖場を見せてもらいました。私は養殖されている状態を直接見るのは初めてだったのでとても量が多く感じましたが、これらの養殖場は最近再開されたばかりなので、まだ量としては少ないそうです。海から戻り、昼食をとって午後はグループホーム、リアスの丘でのボランティアに向かいました。
ここは認知症の方が多く入居されているグループホームです。今回私たちは、敷地内に畑を作りました。この畑は入居者の方の利用だけではなく、近所の人との交流の場としての利用を目的としているものだということを作業後に教えていただきました。案内された場所は木の生えている小山のようなとても以前は畑とは思えない場所でした。私は以前畑だったけど、今は雑草がたくさん生えてしまっているから使えるようにするというような作業だと思っていました。この状況に圧倒されたもののやっているうちに「使いやすく大きな畑を作ろう」というみんなの思いが強くなり、作業のペースはどんどん速くなっていきました。作業に使った移植ごてやスコップは3月末に奉仕委員会でのコーンスープの売り上げで買ったものです。また畑作りと同時進行で今の2年生と5年生が育てた花の苗をプランターに植えました。ハート型の大きな畑が出来上がった時は達成感がとてもありました。この畑でたくさんの物を育てたり、地域の方との交流をしたりして、ここの入居に限らず地域の方も、もっともっと楽しい生活を送ってくださったらとても嬉しいです。
2つのボランティアは私にとっても全員にとっても、とても良い体験となりました。