自分で考える力を培う
考えること、それが恵泉で培った一番の力だと思います。
私は中高一貫教育最初の学年でした。様々なことが初めてであったため、生徒も自分で考えて作り出さなければなりませんでした。
私の6年間の恵泉生活は、中学・高校と信和会図書部部長、ソフトテニスクラブ、高校課外ハンドベル…と様々なことに挑戦する毎日でした。特に図書部部長をしていた際には、従来の仕事のやり方を考え直し、修正案にそって図書部の仕事を調整しなくてはなりませんでした。大変ではありましたが、自分で考えて選ぶことができたからこそ、このような経験をすることができたのです。恵泉は、私が私らしくいられるように暖かく見守り、時に助言をして、個性を良い方向へ伸ばしてくれる、そのような場所でした。
私は現在、自然災害の研究を行う独立行政法人防災科学技術研究所の契約研究員として働いています。仕事は、過去の資料から自然災害について記録された事例を分析しデータ化する、またそれらが書かれた災害資料を収集することです。収集のためには、現地調査も行います。2011年東日本大震災では、被災1ヶ月後から被災地で調査を行いました。
この仕事は、私にとって自分で考え出すことの延長線上にある職業です。物事に興味を持ち、考え、それを文章などの形にして成果に結び付けていくという過程は、恵泉で鍛えられた経験そのものといえます。今後は、自分のスキルアップはもちろんのこと、今まさに行っている研究を少しでも世の中の防災に役立つようにしていきたいと考えています。