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学園長就任にあたって



学園長 中山洋司

Nakayama Hiroshi

Chancellor

 私は、「教育の目的は?」と問われた時、「それは自立(律)です」と応えています。
 恵泉女学園の理事会は学園の使命を「キリスト教信仰に基づき、創立者河井道が提唱した教育理念を確実に継承・発展させ、神と人とに仕え、自然を慈しみ、世界に心を開き、平和の実現のために貢献できる女性を育成する」ことと定めています。この使命を実現するために、「中期計画(2015〜2018年度)」では「高い人間力を持った自立した女性を育成して社会に送り出すことにより学園の社会的責任を果たしていく」としています。
 私は、長い教職経験から、人が人間として自立(律)するには学力と人間力を兼ね備えることが必須であると確信しています。しかし、学生・生徒たちが自分の力だけで学び続け、自立していくことはとても困難です。そこで私達大人が、自立した学びができるように支援の手を差し出すことが大切になります。
 本学園は、人間力を「人間性の涵養(心を育む)」学力を「学力の確保(知を育てる)」と称して日々実践し、学習者が二つの力を自ら獲得できるように様々な支援を工夫しています。

T 人間性の涵養(心)を育むために    
 現在、日本の教育で大きな課題のひとつは人間力の欠如です。本学園は、創立当初から他の学校では見られない「聖書」「国際」「園芸」を特設科目として正課に取り入れてきました。これらの学びは、三つの礎として恵泉の教育を特色づけ、心を育み人間力を育ててきました。
 グローバル時代は、今後さらに進みます。私達は、その社会環境の変化と求められる人材像に応えるために、「聖書」「国際」「園芸」を次代のニーズに対応させた内容も含めながら実施してまいります。そして、大切な一人一人がキリスト教に触れて、人間の基本的なあり方や生き方、そして広い視野と心を持ち、主体的に活動し、平和に貢献する自立した女性を目指して、自らを育んでいくようにと願っています。

U 学力(知)を育てるために
 学力を育てるとは、単に与えられた事柄を覚えるだけではなく、じっくりと学習者自身が自分の内で知を醸成し、理を獲得していくことを意味します。ところが今日の一般的な教育活動は、目先の大事を追い求めるあまり安易な知識注入型の指導に陥りやすい傾向があります。私は、幼稚園から大学まで関わりましたが、校種が上がるにつれて、主体的に創造的に学ぶ者が少なくなるのに驚きを感じました。最も重要な知を醸成する過程が欠落しているからです。
 本学園中学高校では、思考力と発信力に力を注ぎながら知を醸成し、その結果として確かな学力を確保させていきます。また大学は、思考力・判断力・表現力を高めるアクティブラーニングを基に知を醸成し、未来に役立つ確かな学力である生涯就業力を育てていきます。

V 自立した学びへの支援
 私は、学習者が自立して学ぶには、「学びの環境」「適切な情報提供」「学びの相談」が必要不可欠であると考えています。そのためには、指導者はこれらの要素をできる限り整えて学習者を支援していくことが大切です。大学が学年担任制を導入し、中学・高校が自習スペースを拡充する等も学習支援の一端といえます。
 いずれにしろ恵泉教育は、本学園に集う生徒・学生を立派に自立させていくことです。今年度は、来るべき創立100周年を光り輝いて迎えるために、教育の徹底をはかり、自立のための教育を全力で進めていきます。

 

学園長 中山洋司