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校長ブログ

第72回高等学校入学・始業礼拝

2017/04/07

正門の桜

桜の木の根元に咲くムスカリ

第72回 高等学校入学•始業礼拝
讃美歌 453
フィリピの信徒の手紙2:13-16前半

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 新高校1年生の皆さん、ご入学おめでとうございます。また、保護者の皆様、このように大きく知的に成長なさったお嬢様をご覧になりお慶びもひとしおかと存じます。心よりお祝い申し上げます。また、今日は多くのご来賓の方々がこの高等学校第72回入学・始業礼拝にご列席くださった事を改めて、感謝申し上げます。恵泉女学園は今年で創立88周年を迎えます。ここまで、この学園を支えてきてくださった多くの方々に心より感謝申し上げます。そして、私たちの信じる神様に、この御業を心から賛美いたします。

 今日の新高校1年生は、中高一貫校では4年生となります。決して、中学4年生ではありません。先月の卒業式でもって義務教育が終わりました。
 義務から解き放たれたあなたは、自分の意志でもう一度恵泉で学ぶという選択をしたのです。この選択は、極めて大きな意味を持ちます。なぜなら、恵泉は「平和をつくりだす自立した女性」を送り出すことに使命を置いているからです。選択することは、自立することの始めです。どうぞ何事も、主体的に取り組む姿勢を持ってください。主体的とは、自分で考え、自分で行動を起こし、自分でその結果の責任をとることです。いつまでも人の所為(せい)にできないのです。

 あなたがたの生きる21世紀の世界は、急速にグローバル化が進んでいます。日本だけで物事が完結する時代は既に終わっています。世界には国境がなくなりつつあります。グローバル化のキーワードはダイバーシティ(diversity:幅広く性質の異なるものが存在すること)です。日本語では、多様性と訳されています。皆が違って当たり前の世界を前提に、物事を進めなくてはなりません。人間は皆平等です。しかし、自分とは異なることを認めなくてはなりません。このとき、相手を一方的に否定するのではなく、自分はこのように考えるけれども、あなたは、どう考えますか、という相互理解のコミュニケーションのあり方が要求されます。賛成か反対かではなく、それを乗り越えたお互いの共通項を見いだし、良い方向に向かう努力が問われます。

フィリピの信徒の手紙2章3節、4節にはこのように書かれています。
3何事も利己心や虚栄心からするのではなく、へりくだって、互いに相手を自分よりも優れた者と考え、
:4 めいめい自分のことだけでなく、他人のことにも注意を払いなさい。
と。真のグローバル化とは、多様性を受け入れ、自己中心という心の国境を越えて、一歩歩み出すことです。

 新高校2年生は、5年生ですね。ご進級おめでとうございます。これからは、恵泉デーの活動、信和会活動、クラブ活動、課外活動などで学校の中心的な働きを担います。リーダーシップを発揮する場面が多く出てくるでしょう。リーダーだけではなく、それぞれのグループの下支えという大切な役目も担うでしょう。それには、自分が周りを理解し、周りに自分を理解してもらうことが必要です。これは、忍耐と労力と時間が要ります。良い訓練です。どうぞ苦労してください。

 高校3年生は、6年生です。ご進級おめでとうございます。いよいよ恵泉女学園中学・高等学校の最高学年として、締めくくりの年がやってきました。どうぞ「学園の歴史を継承する者」という自覚を持っていただきたいと思います。自分の進路実現を目指した具体的な進学や卒業に向けての様々な目標を持っていることでしょう。目先の事だけにとらわれるのではなく、5年後、10年後、20年後を視野に入れた長い計画を持っていただきたいと思います。焦ることなく、辛抱し、あなたの願いを聞いてすべてのことを働かせて益としてくださる神様を信頼しましょう。神様は、あなたにとって最善の道をいつも用意して下さっています。

 今日の聖書に、目を留めましょう。入学•始業礼拝には、喜びの書と言われるフィリピの信徒への手紙を選びました。
 13節「あなたがたの内に働いて、御心のままに望ませ、行わせておられるのは神であるからです。
 あなたの心に何かをしたい、という気持ちが生まれたならば、それは神様の働きです。神様があなたを選んだその時から、あなた方の心には、神様が働き、神様ご自身の思いをあなた方に望ませ、その行動を行わせて下さっているのだ、と聖書は語っています。

 もう一度恵泉に学ぼうという選択をした4年生も、自由と責任を自覚し学校生活の中での中心的な働きを担う5年生も、自分の目標を持ち、希望の進路を実現させようと計画している6年生も、神様の御旨が働き、あなた方に望ませ、あなた自身の行動を行わせているのです。

 だから、14節「何事も、不平や理屈を言わずに行いなさい。」と聖書は言います。神様のこのような計らいに、納得がいかず不満を言ったり、言い逃れをしないで、従うことが大切です、と言うことです。
さらに15節、16節前半「そうすれば、とがめられるところのない清い者となり、よこしまな曲がった時代の中で、非のうちどころのない神の子として、世にあって星のように輝き、命の言葉をしっかり保つでしょう。」と書かれています。

 リビングバイブルという日常生活の分かりやすい言葉で意訳した聖書があります。この訳ではこのようになります。
「だれからも非難されないためです。心の曲がった頑固な人がひしめいている暗い世の中で、あなたがたは、神様の子供として、汚れのない、きよらかな生活を送らなければなりません。世の人々の間で、いのちのことばを高く掲げ、燈台のように輝きなさい。」
 「灯台のように輝き」はかなりの意訳ですが、意味は良くわかりますね。
 6年生は、今年の夏に修養会に参加します。中学一年生のフェロシップに行った天城山荘で行います。あそこは、夜の星空が見事です。星の輝きのすばらしさを心から実感できます。そのように暗い夜空に星々の輝きが一段と美しくなるように、暗いこの世にあって神様の子の光は固有の光を発して輝き、世を照らすのです。

 私が恵泉で出会った生徒をご紹介します。
 私が中学生であった彼女に数学を教えていたとき、勉強はできるけれども目立たないおとなしい生徒という、印象でした。信和会で中心となって活躍した生徒でも、クラブでリーダーを務めた経験もないと思います。あるとき、将来何になりたいのかを聞いたとき、何のためらいもなくはっきりと「医者です」と答えたことを強く記憶に残っていました。さらに、「そのために数学を一生懸命勉強しています。」と言うのです。彼女が中学生の時でした。高校に進学したときも希望はやはり、「医学部を受験します。」という答えでした。受験して合格し、夢の第一歩である大学の医学部に進学を決めました。高校の卒業式が終わった後の感謝会で、少し話をする機会がありました。「高校になると指定校推薦で他の大学学部への進学を考えたこともありましたが、医者になるという目標を持って、最後までそれを貫いたことが良かったのだと思います。やはり、妥協せずに自分のやりたいことに挑戦することが道を拓くことだと思います。」と静かに話してくれました。3月の下旬に、もう一つの医学部から繰り上げ合格があったと連絡がありました。
 彼女の医者になりたいという思いが与えられたのは、小学校の時だそうです。彼女は、医者に行って注射されるのがとても嫌でした。ところがあるとき、ご高齢の女医さんのところに行ったところ、とても優しく注射をしてくれて、よく我慢したわね、と白衣のポケットに隠していたお菓子をくれたのだそうです。それから彼女は、絶対にあのような優しい小児科の医者になる、と決めたのでした。神様が彼女の心に働いた瞬間でした。
 ちょっとした機会にも、もしかすると神様があなたがたの内に働いて、御心のままに望ませて、くださっていることがあるかもしれません。心のアンテナを張って、神様の御声を聞いて下さい。何本かのアンテナを張って、一番良い電波を選ぶ方式も、因みにダイバーシティと呼ばれています。この1年間は、皆に平等に与えられた時間です。豊かな恵泉生活を過ごしてください。心からの声援を送ります。