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校長ブログ

中学・高等学校 始業礼拝「自分を超えて」

2018/01/09

初冬の富士

夕焼けの富士

2018年 新年礼拝

讃美歌 9
暗誦成句 交読文41 マタイ伝5章
           幸いなるかな 心の貧しき者、
           天国はその人のものなり
聖書 マタイ25:14−21
お話 自分を超えて
讃美歌 546
祈り

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 今年は2018年です。22022202、この数字の並びは何でしょうか。
実は、3進法で表した2018です。美しい数字の並びです。
私は、「富士は(220)、富士を(220)、凌(2)駕する」と無理やり語呂合わせをしました。昨年の11月東名高速から見えた富士山の美しさは、見慣れている写真や映像の姿をはるかに超えたものでした。「凌駕する」とは、「超える」ということです。富士の山は、富士を超えてそこに立っている、という印象でした。
 今日は、タラントンという言葉がたくさん出てきます。有名人をタレントといいますが、タレントという言葉の語源にもなったタラントンについて、考えてみましょう。
 タラントンは、もともと金の重さの単位で、それが貨幣価値となり、お金の単位になったそうです。1タラントンは、6000デナリ、1デナリがおとな一人が働いて稼ぐ賃金だそうですから、大体6000万円位となります。結構な額です。
 この話は、主人の財産を「それぞれの力に応じて」それぞれ5タラントン、2タラントン、1タラントンと預けられた僕(しもべ)が、主人が帰ってきた時にお金の使い方を評価された話です。
 5タラントン預けられた僕は、商売をして更に5タラントンを作りました。3億円預けられて、3億円儲けたのでした。2タラントン預けられた僕も更に2タラントンを得ました。1億2000万円預けられて、1億2000万円を得たことになります。1タラントン預けられた僕は、何もせずに穴を掘ってお金を隠していました。6000万円預けられましたが、使わず隠しておきました。預かったお金を倍に増やした5タラントンと2タラントンの僕には、主人はこう言ってほめます。
「忠実な良い僕だ。よくやった。お前は少しのものに忠実であったから、多くのものを管理させよう。主人と一緒に喜んでくれ。」
 ところがお金を隠していて、増やすことのできなかった僕には、「怠け者の悪い僕だ」とお叱りになり、お金を取り上げ多く稼いだ「良い僕」に渡し、挙げ句の果て、僕を外の暗闇に追い出してしまいます。厳しい主人の態度ですが、お金を与えられた期間は3人とも同じです。時間は、公平に与えられていたのです。

 タラントンとは、私たちに神様からの与えられた能力です。
 物語では、14節に、主人が「自分の財産を預けた」とあります。しかも、15節「それぞれの力に応じて」とあります。英語では、“several ability”「幾分かの能力」に従ってとあります。預けられた金額が5タラントン、2タラントン、1タラントンとあるように、神様から授かった能力は人によって異なっているのです。
何でもすぐに覚えられる人、集中して物事に取り組める人、リーダーシップを発揮できる人、陰でみんなを支えることのできる人、たくさんの異なる能力がそれぞれの人に与えられています。それぞれ異なるのが能力です。
 おそらく、1タラントン預けられた僕は、5タラントンや2タラントンを預けられた僕をうらやましく思い、自分を卑下してしまったのでしょう。さらに、そうさせた主人を悪く思ったかもしれません。
 しかし、私には能力が何もないと嘆き、自分を卑下する必要は全くありません。この話の怠け者の僕でさえ1タラントン(6000万円)のお金を任されていたのですから。
 日本を代表する100個の山をNHKが実地踏査し監修した「日本百名山」というビデオがあります。作家深田久弥が、自分が登って感動を受けた山を100個紹介しています。高さだけではなく、美しさ、品のよさ、裾野の広がり、自然の豊かさ、荒々しさ等、100個の山どれをとっても個性があり他の山と比べることができません。
 二日前の日曜日、教会からの帰りに、大きなモールに寄りました。屋上の駐車場から夕焼けの富士山を見ることができました。この富士も素晴らしいものでした。売り場の一角では、新春将棋大会が行われていました。プロの棋士とアマチュアの方が対戦していました。そこに将棋のプロ中のプロで最近引退なさった加藤一二三名人が居られました。
このとき、“2202202”という先ほどの数字の並びが将棋板上に並ばれた将棋の歩(ふ)の駒に思えました。
 横に並んだ“歩歩_歩歩_歩”です。歩は一度に1マスしか進めません。横へも後ろにも斜めにも進めません。他の駒と比較するとその能力は、乏しいといわざるを得ません。しかし、敵陣に入ると「金」になります。このすばらしい能力を歩は秘めています。

 聖書では、私たちに与えられた能力を賜物と言います。賜物は、自分のために用いるのではなく、神様、隣人のために用いるのです。
 私達も自分の神様から与えられた能力が必ずあることを知り、用いてより大きな成長を遂げたいと思います。そして、「忠実な良い僕だ。よくやった。お前は少しのものに忠実であったから、多くのものを管理させよう。主人と一緒に喜んでくれ。」と言われたいですね。天国の富は、5タラントンさえ「少しのもの」なのです。それ以上のものを神様は、忠実な僕には任せてくださいます。このとき、一人ひとりは、名山ならぬ名人となるでしょう。人と比べるのではなく、自分と比べるのです。昔の自分を凌駕する自分になりましょう。今年は、365日-8日=357日あります。みんなに平等に与えられた時間です。
 今年は、その一歩を始める年にしましょう。