教育内容

園芸の恵泉

なぜ、恵泉では「園芸」を必修にしているの?

「園芸の楽しさ」を、創立者河井道先生は少女時代にしりました。土に種をまき、苗を植え、生活の豊かさを、キリスト教とともに、北海道で出会った宣教師から学んだのです。
ひとつの命を育てることを通して、友達と助け合って働き、時には失敗し、人の思いを超えた自然の営みを知ることを、体験を通して学ぶことができるのです。
植物とともに、心を育てること。これが、園芸そして恵泉教育の目指すことです。

恵泉の園芸(みくに出版「進学レーダー」記事の紹介)

第1回 第2回 第3回 第4回 
第5回 第6回 第7回 第8回 
第9回 第10回 第11回 第12回

どんなことをするの?

4月

入学間もない1年生は、真新しい体操服に着替え、緊張の面持ちで園芸室にやってきます。クラスを半分に分け、3~4人のグループで行う最初の作業は、ジャガイモの植え付けです。
ふたつに切った種イモと、移植ごてを持ち、グラウンド隣の畑へ行きます。植え方の説明の後は、早速グループで作業します。まだお互いに遠慮がちながら夏休み前の収穫を目指して、柔らかい土に種イモを植えていきます。

園芸の「はじめの一歩」は、学校生活のはじめの一歩かもしれません。

そんな1年生も、1学期の終わりには麦わら帽子と長靴の似合う恵泉生になります。

6月

6月の終わりまでにジャガイモ、バジル、ワタ、サルビアなどの草花やイチゴの栽培、コムギの収穫、イチゴのジャムや押し花作りなどをしながら、生徒は「自分の仕事をがんばること」の責任と楽しさを体験するのです。

7月

青々としたジャガイモの葉を引き抜くと、たくさんのイモが畑から顔を出します。畑のあちこちから歓声が上がり、土だらけになった手で持つバケツの重さも嬉しく、ジャガイモを山分けする時の真剣で楽しそうなこと。「働くことは、食べること」を実感する時です。

9月~12月

夏休みが明けると、生徒の身長より高く伸びたワタの花を見上げながら、残暑の中でダイコン、ミズナの種まきです。雑草がどんどん生えるので、生徒も雑草に負けずに草取りをしなければなりません。小さかったダイコンの芽が育って収穫できるのは肌寒くなる11月です。大きくみずみずしいダイコンや、立派なミズナを一輪車に載せて、重さによろけながら「夕飯はお鍋にしてもらおう!」意気揚々と歩きます。その頃には、バジルの収穫も終わり、春の花壇用の苗づくり、クリスマスの準備が始まります。園芸の授業で大切にしているのは「いのちに触れること」と「いのちとキリスト教とのつながりに目を向けること」ですので、クリスマスには材料の表す意味を学びながら飾り(コサージやキャンドルスタンド)を作り、クリスマスの訪れを祝います。

1月

畑のダイコンで「ふろふきダイコン」の調理をしたり、シイタケの原木栽培にも挑戦します。ふわふわのワタから紡いだ糸をヒツジの型紙にまきつけて作るマスコットもそれぞれの個性があって、可愛らしく、楽しいものです。学年末に近づくと、毎年行うのが「天地返し」です。1年間お世話になった畑に肥料をまき、深く耕すことで地力が回復し、新入生を迎える準備ができるのです。天地返しは、畑の土を約60㎝掘り返します。楽な作業ではありません。でも、去年先輩たちが頑張って耕してくれたのならやっぱり自分たちも、とグループで励ましあいながら耕した後、フカフカになった畑を見る生徒の表情は達成感でいっぱいです。
畑を耕すのは、自分を耕すこと。約1年前に頼りなさげだった姿は、もうどこにもありません。こうして、1年生は2年生への階段を上り、中学園芸の授業も終わります。

生徒が再び園芸をするのは、3年後の4年生です。体も心も大きくなった高校生には、更に教材をひろげ、深めたカリキュラムで学びを続けます。

卒業生や高学年の生徒が園芸の授業で学んだこと、
としてあげる言葉は次のようなものです。

  • 植物とともに、心を育てる。
  • 畑を耕すことは、自分を耕すこと。
  • 土が人を育てる。